第1回定例会 一般質問

第1回定例会 一般質問 (平成29年2月22日)

かながわ民進党 いとう康宏

 

議長!
横浜市旭区選出の いとう康宏で ございます。
議長のお許しをいただきましたので、私は、かながわ民進党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、順次質問を させていただきます。知事、県土整備局長、教育長におかれましては、明快なご答弁を、よろしくお願いいたします。
また、先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。

質問の第1は、県内の社会基盤の整備についてです。

まず、国民健康保険の広域化について 伺います。

本県の国民健康保険の被保険者数は、平成27年度末現在、233万人で、県人口の約25%を占めており、本県における医療保険制度において、非常に重要な役割を果たしています。

しかしながら、国民健康保険の被保険者には、高齢者や低所得者の方が多く、いわば最後の受け皿とも言われるなど、構造上の問題を抱えています。

また、本県における、保険料の収納率は、平成26年度は、全国31位に低迷しており、国民健康保険を取り巻く状況は厳しいものがあります。

今後、高齢化の進展や医療の高度化に伴い、医療費はさらに上がり続けることが予想されることから、国民健康保険の安定的な運営を図る必要があります。

このような中、国において、平成30年度から都道府県が財政運営の主体になることで、都道府県単位で財政運営するという、広域化に移行することが決定されたと承知しています。

新しい制度に移行するにあたっては、各市町村が設定している保険料が急激に上がることが心配されるため、その様にならないようにする取組みを行うことも必要ではないかと考えています。

また、広域化後も市町村が引き続き行う保険料の収納については、市町村の取り組みにインセンティブを与え、収納率向上に向け、支援を行う必要があると感じています。

 

そこで、知事に伺います。

平成30年度から都道府県が国民健康保険の財政運営を担うことで、制度の安定化を図るとされていますが、これに対してどのように考えているのか伺います。

また、市町村のシステムの整備や、事務処理上の課題など、新たな制度の施行に向けた準備の状況や、今後どのように取り組んでいくのか、併せて伺います。

 

次に、産業技術短期大学校西キャンパスの建物の整備について伺います。

私の地元であり、県立がんセンターや自動車運転免許試験場など、県の機関が集積する二俣川地区は、相鉄線二俣川駅から 徒歩15分程度の距離に位置し、また国道16号線「保土ヶ谷バイパス」本村インターに近く、県内各地からのアクセスにも優れた、来場する県民にとって利便性の高い立地条件にあります。

同地区では、施設の老朽化などの様々な課題に対応するため、平成19年3月に「二俣川地区県有地利活用計画」を策定し、地区内の施設の再配置が順次進められているところです。

また、地区内には、本県の「ものづくり」継承・発展の拠点として産業技術短期大学校が設置され、神奈川の先進的な 産業を支える実践技術者を育成し、本県における 生涯職業能力開発を推進する中核施設であると承知しています。

私も、産業技術短期大学校にて、学生がそれぞれの課題に対して真摯に取り組んでいる姿を実際に見て、将来の神奈川の「ものづくり」を担う人材が育成されていることを心強く思っています。

産業技術短期大学校には、道路を挟んで 東キャンパスと西キャンパスがあり、東キャンパスでは産業技術短期大学校として学生を対象とした教育・訓練が行われている一方、西キャンパスは、幅広い職業能力開発の場として活用されており、現在は、共同訓練棟などにおいて、技能検定の実技試験や、県内業界団体による建築・板金などの職業訓練が行われています。

本県は、昨年6月に、「一人ひとりが 輝きながら 働ける神奈川」を基本理念とする、「第10次 神奈川県 職業能力開発計画」を策定し、職業能力施策を総合的 かつ 計画的に展開しており、その実施目標の一つに「ものづくり産業の持続的発展と技能の振興」が掲げられていると承知しています。

しかし、先日、西キャンパスを視察いたしましたが、塗装がはがれるなど建物が老朽化し、また、樹木も多く、後継となる 技能者不足による技術・技能の継承問題が課題となっている中で、技能者を育成していく場としては、建物の改修や、建て替えが必要と考えます。

私は、県内の産業振興を図る上で、技能者の育成と優れた技能の継承は重要であり、ものづくり分野の振興を図っていくためにも、西キャンパスを積極的に活用していくべきと考えます。

 

そこで、知事に伺います。

産業技術短期大学校の西キャンパスの老朽化している建物の整備について、どのように考えているのか所見を伺います。

 

次に、河川の減災対策について伺います。

平成28年8月、台風10号の影響による豪雨で北海道・東北地方の中小河川が甚大な被害を受け、岩手県では高齢者利用施設で多くの死者が出たことは記憶に新しいと思います。

また、その前年平成27 年9 月関東・東北豪雨では、流下能力を上回る洪水により、利根川水系鬼怒川の堤防が決壊し、氾濫流による家屋の倒壊・流出や広範囲かつ長期間の浸水が発生しました。

また、これらに住民の避難の遅れも加わり、近年の水害では例を見ないほどの多数の孤立者が発生する事態でありました。

私は小学生の頃、酒匂川に近いとこで育ちましたが、大雨の際の独特な轟音は今でも不安と恐怖として記憶に残っています。

今後、気候変動により、関東・東北豪雨で発生したような施設能力を上回る洪水の発生は、全国どこの河川においても発生する可能性があり、その頻度は高まっています。

本県では、過去の大雨で水害が発生した河川や、都市化の進展が著しい地域を流れる河川について重点的に整備が進められ、これまでに、鶴見川では、恩廻公園調節池や川和遊水地が完成し、おおむね時間雨量60ミリの降雨に対応した整備が完了し、柏尾川では、時間雨量50ミリの降雨に対応した整備が完了しています。

しかし、本県の都市化の状況や、近年、局所的、突発的に短時間で多量の雨が降る、いわゆるゲリラ豪雨の頻発、さらに、今後予測される地球温暖化の影響を考えると、遊水池などの施設の能力に頼ることには限界があり、これまでの水防災は、川から水が溢れないようにするハード的な施設整備を中心に対策を行ってきましたが、施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生することを前提として、県民は 常にこれに備える意識を持ち続けなければならないと考えます。

こうした背景から、平成27 年12 月10 日に 社会資本整備審議会会長から国土交通大臣に対して「大規模氾濫に対する減災のための治水対策のあり方について ~社会意識の変革による「水防災意識社会」の再構築に向けて~」が答申され、国土交通省は新たに 「水防災意識社会 再構築ビジョン」を発表したところです。

本県でも、河川管理者のみならず、市町村、住民、企業等が水害のリスクを共有し、主体的に行動できるよう  意識を変革するための 具体的な取組が求められています。

 

そこで、知事に伺います。

河川の減災対策について、県として、今後どのように取り組んでいくのか所見を伺います。

 

次に、道路案内標識の改善について伺います。

みなとみらいや箱根の大涌谷など、観光地を歩いていると多くの外国人観光客を目にします。

こうした外国人が観光施設を利用したり、買物をしたりする風景を見ると、外国人の方々が本県にもたらす経済効果が非常に大きいことを感じているところです。

こ うした中、本県では、横浜、鎌倉、箱根に次ぐ、新たな観光の核づくりなど、観光振興による地域経済の活性化に 取り組んでいるところです。

平成27年には、首都圏中央連絡自動車道・圏央道が、湘南地域から東北道までつながった効果なども相まって、本県における入込観光客数は、1億9,000万人を突破し、過去最高を記録しました。

また、近年、アジア諸国の経済発展を背景に、国が東南アジア諸国を中心にビザ要件の緩和措置や免税制度の拡充を図ったほか、LCC、いわゆる格安航空会社の新規就航や大型クルーズ船の寄港増加などにより、特にインバウンド・外国人観光客の誘致を取り巻く環境が劇的に変化しており、その結果、訪日外国人は、平成25年に1,000万人を超え、平成27年は1,973万人に達し、大幅に増加しています。

平成32年には、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えており、本県においても、こうした機会を捉えて、国内外から、より多くの観光客を呼び込み、一層の観光振興を図っていく必要があります。

そのための基盤として、観光地へのアクセスを強化する道路の整備促進が必要なことはもちろんではありますが、道路案内標識を、本県を訪れる方々にとって、分かりやすいものに改善していく取り組みも 重要であります。

案内標識の表示内容については、県だけではなく、国や市町村などと連携し、統一的な対応が必要となることから、県内の道路を管理する関係者が参画する委員会を設けて、調整が図られているところであります。

この委員会において、昨年9月、平成32年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、増加が予想される訪日外国人旅行者をはじめ、様々な来訪者が、安心して円滑に移動できるよう、案内標識の改善に連携して取り組む方針がまとめられたことは承知しています。

この方針に沿って、県では、国内外からの来訪者に、分かりやすい道路案内標識とするため、平成29年度から、英語表記など、案内標識の改善を推進することを打ち出しており、この取り組みが一層の観光振興につながっていくことを期待しています。

 

そこで、県土整備局長に伺います。

道路案内標識の改善について、県として、どのように取り組んでいくのか伺います。

 

それでは何点か要望させていただきます。

 

① まず、国民健康保険の広域化についてです。

保険料負担が上がれば未収も増え、財政安定や事務効率化にも逆行する懸念があります。

広域化については、県民の理解を得る努力が必要であると思います。

また、県が財政運営を担うことで、国の責任が無くなると言うものではなく、引き続き 共に責任を負ってもらうことを継続して働きかけていただくよう要望いたします。

 

②次に、産業技術短期大学校西キャンパスの建物の整備についてです。

産業技術短期大学校の西キャンパスは、外から見ただけでも老朽化が感じられるところもあり、改めて早急な整備をお願いいたします。

 

③河川の減災対策については、減災協議会を立ち上げるとの具体的な答弁を頂きました。

河川管理者と市町村など関係機関との連携がポイントとなると思います。

洪水が発生した場合においても、逃げ遅れる人をなくす、経済被害を最小化するなど、減災の取り組みを、県全体で推進していただくよう要望いたします。

 

④次に、道路案内標識の改善についてです。

箱根で運転していると、静岡県に向かう目的地表記が三島だったり沼津であったりと数十メートル離れただけで国道と県道では違う案内標識の場所があり、統一することも必要です。

是非、関係機関と連携し、東京オリンピック・パラリンピックを待たずに、わかりやすい道路案内標識の実現を前倒しで整備を進めるよう要望いたします。

 

 

議長!

質問の第2は、高齢社会の到来に向けた取組についてです。

まず、高齢者の交通安全対策について伺います。

県内における交通事故は、昨年27,091件発生し、5年前の平成24年と比較すると、約1万件、27パーセントほど減少しています。

しかし、この5年で、県内では、交通事故件数に占める高齢者の割合は年々増加傾向にあり、本県の交通事故のひとつの特徴となっています。

65歳以上の高齢者の関係する交通事故を平成24年と昨年を比較しますと、平成24年は、発生件数37,049件のうち、9,712件で、その割合は約26%でした。

一方、昨年は、発生件数27,091件のうち、8,617件で、件数は、1,000件以上減少しているものの、割合は、約32%を占めるに至り、約6ポイント増加しています。

また、平成28年は、高齢者の運転による交通事故が、全国的に注目されたところでもあります。

本県でも、平成28年10月に横浜市港南区において、高齢者が運転する軽トラックが軽自動車に衝突し、横転しながら通学途中の児童の列に突っ込み、児童1名が死亡、7名が負傷する大変痛ましい交通事故が発生しました。

高齢者が関係する事故の割合の増加は、高齢者人口の増加と相まって、加齢に伴う運動能力や反射能力の低下など、誰もが避けて通れない現象により、事故に遭う、または事故を起こす危険性が増えていることが背景にあると思われます。

そこで、重要になるのは、高齢者自身が、もう一度、自らの運動能力などを自覚し、交通安全の重要性を再認識してもらうことであると考えます。

他県の事例となりますが、埼玉県では、加齢に伴う有効視野の狭まりなどの身体機能や、認知機能の低下を、客観的に実感してもらうために、タブレット端末や運転中の動画を活用した講習の実施など、高齢運転者の交通事故抑止の取組みを行っています。

これまでも、本県では、様々な取組みをされてきたと認識しておりますが、県内の高齢者人口の増加が、今後、更に見込まれる中、高齢者の交通安全対策の重要性も、更に増していきます。

 

そこで、知事に伺います。

高齢者の交通安全対策に、今後、県として、どのように取り組んでいくのか所見を伺います。

 

次に、世界保健機関・WHOの「エイジフレンドリーシティ」について伺います。

 

本県は、「食・運動・社会参加」による未病を改善する取組みを進め、例えば未病サミットが平成27年に引き続き本年も開催が予定されるなど、着実に、県民へ「未病」が認知されていることは一定の評価をするところであり、私自身、食生活習慣に気をつけるなど、多くの気付きをいただいています。

しかし、県民の多くは、「未病」という名前だけは記憶にすり込まれたものの、県が取り組んでいる具体的な内容について理解し、浸透するには至っていないと感じています。

私は、未病の改善に向けた取組みを浸透させるためには、本県とWHOとの連携を強化することが有効な方策のひとつと考えます。

これまで、県はWHOの専門家の未病サミットへの参加やシンポジウムの共催のほか、昨年12月からは、職員をWHOの高齢化部局に派遣しました。年末のラジオ番組でこのことに関する知事の言葉を聞き、知事の強い意気込みを感じたところであり、県として、こうした世界的な取組みにさらに積極的な参画を求めたいと考えます。

WHOの高齢化部局の具体の取組のひとつに「エイジフレンドリーシティ」があります。これは、WHOが平成22年に立ち上げた、高齢者に優しいまちづくりを行う都市のグローバルネットワークであり、世界的に高齢化と都市化が進展する中で、人々の健康な高齢化を促すような、環境づくりがますます重要になっていくことに対応しているものです。

先日、エイジフレンドリーシティの実現を成長戦略のひとつに位置付け 、国内の自治体で最初にネットワークに参加し、一体的かつ集中的に推進している秋田市の取組を調査してまいりました。

エイジフレンドリーシティ構想をスタートする際、すべてが英語資料であったことや、日本での取り組みがないため、前例もないなかでの手探りの参加申請手続は大変苦労されたそうです。

しかし、参加後は、医療関連団体や企業からの問い合わせや、国内外からの視察が相次ぐなど、秋田市での取り組みに世界から注目が集まっているとのことでした。

現在、約380の都市がネットワークに参加している、このエイジフレンドリーシティの活動に県内各市町村が参画し、未病の取組に関する情報の共有や、国内外の研究機関等との連携強化など、実効性のある取組を進めていくことが、県民に未病を浸透させるためにも、非常に効果的であると考えます。

 

そこで、知事に伺います。

県内市町村がWHOのエイジフレンドリーシティのネットワークへ参加し、未病の取組を進めることが大変重要であると考えますが、県として、県内市町村の参加を促すためにどのように取り組むのか、所見を伺います。

 

最後に、「『人生100歳時代』における生涯学習の推進」について伺います。

歴史上経験したことのない速さで高齢化が進み、いまや「超高齢社会」を迎えつつあります。多くの人が100 歳まで生きることが可能となった「長寿社会」において、高齢者を含むすべての人々が健康で、生きがいをもち、安心して暮らせる社会をどのように実現するかという事が重要です。

長寿社会では、すべての人々が、人生 100 歳時代を見据え、自ら有する知識や経験を社会に還元しつつ、よりよい社会をつくる主役として、自身の生きがいを選び取れる社会であることが必要です。そこで、長寿社会にふさわしい、新しい高齢者観に基づく生涯学習社会の理念を普及していくことが求められています。

平成27年に内閣府が実施した「教育・生涯学習に関する世論調査」によると、生涯学習を通じて身につけた知識等により「自分の人生がより豊かになっている」と回答した人の割合は、おおむね各世代で前回調査の数値を上回り、特に70歳以上の人の回答は平成20年から比較すると大幅に増加しており、生涯学習へのニーズが高まっていると言えます。

長い人生において、社会・経済の変化に伴い、必要な知識やスキルも当然変わってくることが見込まれます。そうした変化に対応して、大学などに入り直す「学び直し」が増えるなど、これまでの学びを変えていくことも必要となってきます。

こうしたことから、高齢者の方々をはじめとする、幅広い世代のための「学び」の機会を確保し、広げることが生涯学習の大きな役割の一つであると考えます。

そのため、県は、広域的自治体としての立場から、住民の学習活動や社会参画などの施策に取り組む 市町村の実情を踏まえた上で、市町村と連携して、生涯学習社会づくりを推進していくことが必要です。

 

そこで、教育長に伺います。

人生100歳時代における生涯学習社会づくりに向けて、県教育委員会は市町村教育委員会との連携のもと、どのように取組んでいくのか、伺います。

 

以上です。

 

【要望】

議長!

知事、再質問の答弁ありがとうございました。

それでは、意見、要望を述べさせていただきます。

 

①まず、高齢者の交通安全対策についてです。

「自分は大丈夫と自信を持っていること」が、高齢者が加害者となる事故の相次ぐ理由であると言われています。

高齢者で運転されている方が、運転に自信がなくなったり、家族から「運転が心配」と言われたりしたら、本人自ら進んで免許の自主返納できる社会の仕組みも必要です。

高齢社会が今後ますます進展する中、高齢者の交通事故対策には、高齢者本人だけでなく、周囲にいる方々の理解も重要です。

高齢者への思いやりを持った運転や、家族や周りの方々は、一人ひとりの暮らしぶりなどに配慮しつつ、高齢者の変化に気づくことも重要です。

「弱者」としてのみ扱わないよう心がけながら、高齢者を見守る神奈川をめざし、だれもが交通事故の加害者・被害者にならないための、新たな安全・安心の街づくりを進めていただくことを要望いたします。

②次に、WHOの「エイジフレンドリーシティ」についてです。

是非、しっかり取り組んでいただきますよう要望いたします。

③最後に、「『人生100歳時代』における生涯学習の推進」についてです。

幼児から高齢者まで、学ぶ機会を整備することが必要であるのではないでしょうか。

自分を高めて豊かな人生にしていくことや、社会に参画することで、自分を生かしていける神奈川を実現するよう要望いたします。

 

 

以上で私の質問を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

 

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