第2回定例会 一般質問

第2回定例会 一般質問 (平成28年6月9日)

かながわ民進党 いとう康宏

 

議長!
横浜市旭区選出
かながわ民進党のいとう康宏でございます。
議長のお許しをいただきましたので、私はかながわ民進党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、提言を交えながら、順次質問をさせていただきます。
格式ある神奈川県議会の本会議の場に登壇いたしました。大変緊張しておりますが、知事、保険福祉局長、環境農政局長、教育長におかれましては、明快なご答弁をよろしくお願いいたします。
また先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間ご清聴のほどよろしくお願をいたします。それでは質問に入ります。

私の質問の第1は
「商店街を核とした地域の賑わいづくりリーダーの育成について」です。

少子高齢化や 地域コミュニティの衰退により、地域の賑わいが失われつつあります。

なかでも、商店街と 地域のまちづくりは 密接な関係にあり、地域に活力がなければ 商店街に賑わいはなくなり、商店街に魅力と活力がなければ、地域全体の賑わいも 次第に失われていくと考えます。

これまでも 商店街が中心となって、地域活性化の為の取組が行われてきました。

現在 本県では「神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、活力と魅力あふれるまちづくりを進め、かながわ・グランドデザイン第2期実施計画でも、 「地域資源を生かした 地域活性化をめざして」 のなかで、「商店街のにぎわいは地域に多くの人を引きつけるマグネットになり、その魅力を増すことで、地域全体の活気を取り戻すことができる」として商店街の活性化に重点的に取り組んでいると承知をしております。

しかしながら、本県には約1,000の商店街がありますが、商店街を取り巻く環境は 厳しさを増しているのが 現状です。

こうした 商店街の現状には いくつかの原因が考えられますが、その中でも特に深刻なものとして、商店街全体を盛り上げていく人材の不足にあると考えます。

地域の賑わいを かつてのように取り戻すためには、地域への思いの強い方が、活発な議論と活動を通じて、地域の方々を引っ張っていくことが必要であり、商店街に対する支援もハード面を中心とするスタイルから、商店街を核とした、地域づくりを引っ張る 人材づくりを支援するというような、ソフト面のスタイルへと、より転換する必要があると考えます。

本年3月、中小企業庁が発表した「平成27年度商店街実態調査」でも、回答の6割を超える商店街が「経営者の高齢化による 後継者不足」を 問題にしていることからも、地域コミュニティの核である商店街の人材育成が 喫緊の課題です。

私の地元の商店街をみましても、家族、あるいは少ない従業員で経営している場合も多く、企業や役所のように、様々な研修に参加する機会もほとんどないばかりか、商店街の外の方との交流をする機会も少ないという話を耳にしています。

私はかつて、化粧品会社に勤めており、職場からの推薦で、現在も続く「神奈川県商業従業者海外派遣団員」として、平成7年に県内商業を担う若手の皆さんとともに、欧州の商業施設の視察や専門学校での受講、現地商業者の方との 意見交換などを 経験させていただきました。

また、本県では商業者を中心に製造業・サービス業等の垣根を越えたネットワークづくりを実践し、生活提案型商業という考え方のもと、商業者の活発な活動を促す神奈川県生活彩業フォーラムという異業種交流会が開催されており、私も派遣団の参加を契機に、このフォーラムに何回か参加しました。

ここで多くの刺激を受け、「郷土かながわの発展を成し遂げることに尽力したい」 との思いを強くしたことから神奈川県議会議員をめざし、今ここに立つことができました。

派遣団やフォーラムへの参加を通じて感じたのは、自分が知らない様々な分野があり、活躍されている方がたくさんいるということ、そして、こうした経験が、視野や人的ネットワークを広め、その後の経営や地域活動に生きるということです。

地域の賑わいづくりのためには、地域づくりに磨きをかけて、人を呼び込み、引き付けるマグネットをつくるとともに、幅広い人的ネットワークをもった 真にやる気のある若手商業者を育てていくことが必要であると考えます。

そこで、知事に伺います。

商店街を核に、地域の賑わいを創出していくために、若手の商業者の育成にどのように取り組むのか、知事のご所見を伺います。

 

質問の第2は
「未届有料老人ホームについて」です。

最近“無届老人ホーム・無届介護ハウスに関するニュースをよく耳にします。

昨年12月に、NHKスペシャルで、「介護危機 急増 “無届け介護ハウス”」として、行政に届け出を行わないまま 空き家などに高齢者を住まわせ、食事や介護などのサービスを提供する「無届介護ハウス」の特集が放送されました。

放送では 社会保障費を抑制しようと「在宅介護」を推し進めようとする国に対し、実際には 在宅介護が進まずに、行き場のない高齢者が急増し “無届介護ハウス” が増加、全国で確認できただけで1,941箇所にものぼる実情が紹介されていました。

その後、実施された国の緊急調査によると、単なる高齢者向けの共同住宅で、有料老人ホームには該当しないものもありましたが、老人福祉法で届け出が必要でありながら、手続きされていないいわゆる「未届有料老人ホーム」が全国に1,600箇所以上あり、年々増加しているとの結果が公表されています。

また一部の報道によりますと、少なくとも 全国で1万5,000人以上がそのような未届有料老人ホームへ入居していたとのことです。

核家族化や単身世帯の増加により、在宅介護では難しいケースも増えています。そうした場合、法律に則った指定や届出がされている介護施設に入所を希望されながらも、様々な事情から、やむを得ず未届有料老人ホームに入居されている方も多いのではないかと推測されます。

私も父の介護のために右往左往してしまった経験があります。

在宅介護ができない、特養には入居待ちが多く すぐには入れない、などの問題が重なり、一時的にでも入居できる施設がないか複数の老人ホームを見学しました。

その中には、今思うと 未届有料老人ホームと思われる、狭い空間に所狭ましとベッドが並び、隣人の目をさえぎるカーテンもないなかで、多くの高齢者が息をひそめて横になっている施設もありました。

未届有料老人ホームは、施設管理や衛生面での不備はもとより、本来法律で 設置が義務付けられている、スプリンクラーなどの消防設備が整っていないこともあり、過去には深刻な事故が起きています。

平成21年3月、群馬県「静養ホームたまゆら」で、入居者10人が一酸化炭素中毒などで死亡した火災事故は、いまだに記憶として残っています。

通常の老人ホームとして届け出がでていれば、届け出に基づいて、自治体が状況を把握し、様々な指導を行えますが、未届の場合はまず何処にあるのかわからないといった、そもそも自治体が その存在を把握できない状況にあります。

これでは不適切な運営自体があったとしても実態が見えず、是正指導が行えません。

地域で高齢者を見守り・支える ネットワークづくりなども生まれている中 、“たまゆら”の火災事故のような悲劇を繰り返さないためにも、高齢者の方が安心して暮らせる住まいが十分供給されることは、高齢者福祉の観点から非常に重要であり、そのためにも 未届有料老人ホームの現状を県としてしっかり把握し、必要な指導を行っていくべきと考えます。

そこで、知事に伺います。

神奈川県内の未届有料老人ホームの現状について、県としてどのように認識し、どのように対応していくのか、知事のご所見を伺います。

 

質問の第3は
「臓器移植に係る普及啓発について」です。

臓器移植は、重い病気や事故などにより臓器の機能が低下し、移植でしか治療法のない患者の方と、誰かの命を救いたいという第三者の善意に基づくものであり、第三者の善意による 臓器の提供がなければ成り立たない医療です。

しかしながら、日本臓器移植ネットワークによる統計データでは、移植を希望する方に対して、実際に移植が受けられた方はわずかであり、希望者に対して実施数が圧倒的に少ないという状況が続いています。

現在、臓器移植における臓器提供は、本人の意思が不明な場合も、ご家族の承諾で可能ではありますが、近しい者の死に直面したご家族に対して、短時間で判断を迫ることは大変困難であり、本人の意思を確認できることが望ましいため、腎・アイバンクへの登録や、臓器提供意思表示カード、運転免許証の裏面にある意思表示欄などにより、事前に意思表示ができるようになっていると承知しています。

私も、平成17年に角膜提供の意思を公益財団法人かながわ健康財団 腎・アイバンクに登録し、その後は、免許証や保険証、マイナンバーカードに他の臓器移植の意思を示しています。

このように、臓器移植を推進するには、何よりも、一人ひとりが臓器移植について考え、臓器を提供しないことも含め、あらかじめ、自分の意思を明確にしていただくことが必要です。

一方で、本人が臓器提供の意思表示をしていても、ご家族がそのことを知らされていなかったり、臓器移植に関する 知識などの不足から、移植に結びつかないケースもあると聞いています。

こうしたことから、臓器移植の推進にあたっては、一人ひとりが、日頃から臓器移植について 正しく理解するとともに、自らの問題として考え、ご家族でも話し合う機会を持つ といったことが大切であり、そのためには、臓器移植や臓器提供の意思表示に係る 普及啓発 が重要であると考えます。

自らの臓器を提供することにより、誰かの命を救いたいという人々の意思を尊重するため、県としても広く臓器移植に関する知識と理解を深めるための普及啓発にもっと力を入れていくべきと考えます

そこで、保健福祉局長に伺います。

臓器移植や臓器提供の意思表示に係る普及啓発について、県として、これまでどのように取り組み、今後どのように取り組んでいくのか、保健福祉局長に伺います。

 

質問の第4は
「妊娠・出産についての知識の普及啓発について」です。

女性の活躍が叫ばれる中で、働くことを希望する女性が、出産というライフステージの大きな変化に直面し、出産、育児と 仕事の両立とのはざまで迷い、悩むうちに出産適齢期を過ぎてしまう、あるいは仕事の継続をあきらめざるを得ないというような厳しい状況におかれている方々がいると聞いています。

また、就労の有無に関わらず、子どもを望む夫婦が、なかなか妊娠できずに、不妊治療に望みを託している現状があるということも伺っています。

今年の4月1日には、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」、いわゆる「女性活躍推進法」が施行されましたが、出産や育児のしやすい環境づくりはもとより、妊娠には、男女ともにお互いの体について生理的な知識や、広い視野で社会的な情報・身体的な情報を系統だって持つことが必要であり、それを踏まえて、妊娠や出産、子育てを人生のどのステージで実現していくかというライフプランについて、男性も女性も一人ひとりが組み立てていくことが必要です。

もちろん、結婚や妊娠、出産は個人の考え方や価値観に関わる問題であり、個人の自由な選択が最優先されることは言うまでもありません。

しかし、そうした中においても、ライフプランを組み立てるためには、まず、男性も女性も 若い年代のうちから、自らの体についてはもとより、性と生殖、妊娠・出産に対する しっかりとした知識を持ち 理解を深めることが、何よりも大切です。

そのために、県としても必要とされる知識の普及啓発をしっかり行っていく必要があると考えます。

私は、今年の4月に岡山県に調査に伺い、岡山県による妊娠・出産の知識の普及についての取組を 視察してまいりました。

その中で、高校生にターゲットを絞った啓発漫画を作成し、周知する取組が大変印象深く、本県でも若年層に対するこのような周知の手法を取り入れる必要があると感じたところです。

そこで、保健福祉局長に伺います。

県では、妊娠・出産の知識の 普及啓発 について、どのような認識を持っているのか、また、高校生などの若い世代に対しての取組は、どのような工夫を行っているのか、保健福祉局長に伺います。

 

質問の第5は
「東京オリンピック・パラリンピックに向けた県産木材の利用推進について」です。

2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会のメインスタジアムとなる 新国立競技場については、昨年8月28日に新国立競技場の整備計画が策定され、特に配慮すべき事項として、木材の活用を図ると明記されました。

その後12月には「木と緑のスタジアム」をそのコンセプトに掲げた案が採用されています。また、東京都、及び東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会も、施設整備について、木材の積極的な使用を目指し、コスト面も含めた適材適所の考え方のもと、木材と鉄筋を 融合させた部材を 使用するなど、木材を多く使用する案が採用され、その他の関連施設においても木材の使用が期待されているところです。

神奈川県内におきましても、セーリング競技の会場に江の島ヨットハーバーを使用することが決定されており、主な開催地である 東京都内のオリンピック・パラリンピック関連施設への使用とあわせ、県産木材が活用される よい機会になると期待されています。

オリンピック開催に際しては 環境への配慮や持続可能な開発が求められ、特にロンドン・オリンピック・パラリンピック競技大会においては、1993年に自然保護団体を中心にドイツで創設されたFSC(フォレスト スチュワードシップ カウンシル 森林管理協議会)と

1999年に欧州で始まったPEFC(プログラム フォー ザ エンドースメント オブ フォレスト サティフィケーション スキームス PEFC評議会)の二つの国際的な森林認証材の使用を指定し、施設の木材調達では木材使用量中の認証木材割合 約95~100%で建設されたといわれています。

リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック競技大会においても 同じような基準で施設の建設が進められています。

そして、いよいよ2016リオデジャネイロ・オリンピック競技大会まであと2か月。私も大会の成功を願ってやみません。

リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック競技大会の閉会式には次期開催地である東京にそのバトンが引き継がれ、東京オリンピック・パラリンピックに対する国民・県民の皆様の期待が一層高まってくると思います。

そうした中、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は本年5月17日に「持続可能性に配慮した 木材の調達基準(案)」を公表しました。公表された基準案によりますと、FSCやPEFCといった国際的な認証を取得することは組織委員会と取引を行う上での必須の条件とはされないことが明らかになったとともに、国内林業の振興とそれを通じた森林の多面的機能発揮等への貢献を考慮し、国産材を優先的に選択するよう 努めなければならないと示されています。

つまり、これまでの認証木材に限らず、組織委員会が示す基準に適合すれば  使用できるものとなっています。

既に日本では、国産材マーク、都道府県産材認証制度、木材表示推進協議会、ウッド マイルズ フォーラムなど様々な産地認定の仕組みがあります。

本県でも公共事業や住宅建設等において、県産木材の利用の促進を一層普及するとともに、県民ニーズにあった産地の明確な木材を安定的に供給することを目的に、かながわ県産木材産地認証制度が運用されており、2020東京オリンピック・パラリンピック大会において、より多く県産木材を利用してもらう環境が整ったと受け止めています。

主な開催地が隣の東京都であることも、本県にとっては 隣接地からの供給となり、輸送コストが抑えられる面から、かながわ県産木材を使用してもらう上で 大きなアドバンテージとなると考えます。

オリンピック・パラリンピックのような世界的ビッグイベントに本県産木材を供給していくことができれば、今後 県産木材の利用を推進していくうえで、またとないPRの機会となりますので、県産木材の利用に向けて、しっかりと準備を進めていくことが必要であると考えます。

そこで、環境農政局長に伺います。

今回の「持続可能性に配慮した木材の調達基準(案)」を踏まえ、東京オリンピック・パラリンピック競技大会で整備される施設等への県産木材の利用促進に向け、どのように取り組んでいくのか、環境農政局長に伺います。

 

質問の第6は
「県立高校における中途退学者の減少に向けた取組について」です。

私は、高等学校は 義務教育の対象ではないものの、生徒が3年間の学習活動などを通じて、基礎学力と、社会で生きていくために必要な力を身に付けるための重要な教育機関であると認識しております。

そのような中、本年4月に、県立高校の夜間定時制の入学式に出席したところ、校長先生が、あいさつの中で、「まずは卒業することを目ざしていこう」と新入生に呼びかけておられました。

私は、この言葉が気になり、入学式終了後校長先生に話を聞いたところ、中学校までに不登校経験のある生徒や外国につながりのある生徒など、様々な事情で入学してくる生徒が多く、入学したものの、学業半ばで中途退学する生徒が少なからずいる ということを知り、大変衝撃を受けて会場を後にしました。

昨年8月に県教育委員会が発表した平成26年度の退学者数は全日制で1,126名、0.88%、定時制では1,180名、12.72%と、ピークであった平成10年前後から見ましても、確かに減少はしていますが、定時制では未だ1割を超える状態が続いています。

現在、多くの企業等では、従業員の採用条件として、少なくとも高校卒業以上となっているため、生徒が高校を中途退学してしまうと、職に就くことが困難になるだけでなく、社会とのつながりが希薄になり、様々な公的な支援から漏れてしまい、その結果、ニートや引きこもりなどになってしまう 恐れがあることを、私は大変危惧しております。

私は、前向きな理由で、高校とは別の進路を選択した結果、退学するということも 一つの選択肢であると思っていますが、そうでなければ、高校に入学した生徒が、3年間しっかりと学び卒業することが何よりも大事であり、高校においては、生徒に応じた指導・支援を行い、中途退学することなく卒業できるようにしていくことが重要であると考えます。

県教育委員会では、県立高校にクリエイティブスクール3校を設置し、中学校までの学習状況に応じた学び直しの教育や、教育相談、進路支援など、きめ細かな支援の 取組を行っており、こうした取組が、中途退学を防ぐことにもつながっていると、昨年、県立釜利谷高等学校を訪問し、私なりに確認したところでもあります。

また、県立高校では、クリエイティブスクールに限らず、一人ひとりの生徒のニーズに適切に対応した支援と相談の充実等に取り組んでいることは承知をしています。

この他、やむを得ず中途退学した者に対しても、仕事を探すための窓口や高校でもう一度学ぶ場合の受検方法などの情報提供について、在籍していた高校が相談を受けるなど、退学後の取組を行っているとのことです。

これらの取組により、先に述べたように、近年は県立高校全体の中途退学者は減少傾向にありますが、定時制高校においては、様々な事情から中途退学者が少なくない現状があることから、一人ひとりの生徒に対して、学習面、生活面など、様々な場面で、よりきめ細かな支援をしていく必要があると考えます。

そこで、教育長に伺います。

今後、県教育委員会として、県立高校、特に定時制高校における中途退学者の減少に向けて、どのように取り組んでいくのか、教育長に伺います。

以上で私の第1回目の質問を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

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